カナダBP社 オンタリオ州の2地点 新規計画の申請取り下げ

カナダのブルース・パワー(BP)社は7月23日、オンタリオ州ブルース郡で計画していたブルース発電所増設計画、およびハルディナンド郡ナンティコックでの新規原子力発電所建設計画の認可申請を取り下げ、既存原子炉の改修工事に専念すると発表した。

BP社は現在、ブルースA発電所(CANDU炉2基)とB発電所(CANDU炉4基)を操業しているが、これらのうち5基は2015年以降に大規模な改修もしくはリプレースが必要になるとの判断から、同サイト内に新たに4基・400万kW分の新規原子炉建設を計画。昨年9月に提出した環境影響声明書(EIS)が原子力安全委員会(CNSC)の審査を受けていた。また、ナンティコック郡ではエリー湖産業パーク地区に2基・220〜320万kWの新規原子炉を建設するため、昨年10月にCNSCにサイト準備認可を申請していた。

同社はすでに、両サイトに関する認可申請を取り下げるほか、環境評価も停止する意向であるとCNSCおよびカナダ環境評価庁に通達。計画中断の理由としては、オンタリオ州における電力需要の低下と最近の市場状況を挙げており、過去5年間に様々なオプションを検討した結果、630万kWの新規建設よりも既存原子炉の改修の方が最も経済的との事業判断を下すに至ったと説明している。

同社はまた、「どちらのサイトも、市場の状況さえ良好であれば原子炉の建設に非常に有望であることが確認できた」と述べるとともに、同社がアルバータ州およびサスカチュワン州で進めている原子力発電導入可能性調査にはまったく影響しないことを強調した。


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