原子力委予算ヒア サツマイモに不妊虫法 農水省が事業説明

7月28日と29日の原子力委員会で、経済産業省、農林水産省、国土交通省、原子力安全委員会、総務省、外務省、文部科学省、原子力委員会の原子力関係経費2010年度概算要求構想のヒアリングが行われた。

このうち28日の農林水産省ヒアリングでは、放射線技術による特殊病害虫根絶事業への取組みが報告された。

沖縄、奄美群島等には、さつまいもに悪臭と苦みを与えるアリモドキゾウムシ等が発生しており、著しい被害を及ぼしている。未発生地域へのまん延を防ぐため、その寄主となる植物の移動は禁止または制限されている。未発生地域へのまん延を防止と我が国の農作物の安定的な生産のため、アリモドキゾウムシ等について、放射線を用いた不妊虫放飼法等の技術を用いて根絶に向けた防除を実施している。沖縄のイモゾウムシについても同様の防除で対策がなされている。

ウリミバエは、すでに根絶が達成されているが、台風などの気象要因等により再侵入事例があるため、根絶後も発生地からの再侵入の防止措置が必要であり、不妊虫放飼による対策を継続して定着を防いでいる。

不妊虫の技術はアフリカなどの地域でも求められており、IAEAでも取り組んでいるが、日本での成功例は島という環境条件があったためであり、大陸に適合させるにはさらなる対策が必要との指摘もなされている。


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