FBR研究開発 原子力委が着実な推進を期待 推進体制などに注文も

原子力委員会は18日、高速増殖炉(FBR)・サイクル技術に関する研究開発に関して、同委員会としての見解を示した。7月28日の五者協議会による高速増殖炉・サイクル技術の研究開発の進め方についての検討結果評価報告と、8月4日のJAEAによる高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCT)の進捗状況および中間報告を受けての評価となる。

原子力委員会はJAEAを含む五者が今後とも高速増殖炉・サイクル技術に関する研究開発への取組を着実に推進することを期待するが、以下の点などを踏まえるべきと指摘した。

▽総合的にバランスのとれた性能目標を達成するプラントシステムを生み出すよう進めること

▽一元的で全体を俯瞰したマネージメントとプラントエンジニアリング能力を投入すること

▽プラントシステムのあり方に関する国際的な議論を踏まえて高速増殖炉サイクル技術の性能目標を適宜見直すこと

▽安全性や原子力防護、核拡散抵抗性などの性能目標の妥当性および達成度を外部の機関に独立に評価を行わせること

▽「もんじゅ」の現場、FaCTプロジェクトの実施部門、メーカー、電気事業者は共同して、得られた知見や経験を管理していくこと

▽電気事業者がエンジニアリングジャッジ(技術評価)を行う体制を整備すること

▽目標に相応しい知識ネットワークを通じての組織的知識創造の仕組みを実現する観点から、長期にわたる開発の進捗に応じた適切な体制を検討すること

▽国およびJAEAは「もんじゅ」運転再開にあたり、再度FaCT推進に対するもんじゅの役割を国民に丁寧に説明すること

▽五者協議会の各機関は、合理的な研究開発計画見直し、東海再処理施設の活用、運営体制の整備等、必要な処置を速やかに検討・実施すること

▽国際社会における核拡散抵抗性向上への関心が高まり、再処理技術国際移転の制限強化の動き、再処理事業の多国籍化重視の意見などを踏まえて第二再処理工場のあり方を検討すること。


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