ロシア 海上浮揚型原発の原子炉組立て

ロシアの民需原子力部門を統括するアトムエネルゴプロム所属のニジニー・ノブゴロド機械建設実験設計局(OKBM)は6日、世界初の海上浮揚型原子力発電所(FNPP)に搭載する2基目の原子炉の組立て点検と技術的な再検査を傘下のアフリカントフOKBMが完了したと発表した。

FNPPは舶用原子炉KLT−40S(出力3.5万kW)を2基搭載するバージ型(タグボートで曳航・係留)原発で、「アカデミック・ロモノソフ」と名付けられている。1基目の原子炉は今年初頭、組立てが完了し、サンクトペテルブルクでFNPP全体の組み立て作業を受け持つバルチック造船所(BZ)に送られた。

今回組み立てられた2基目の原子炉の製造および検査については、(1)OKBM(設計・製造および技術検査)(2)原発構成機器製造会社のイジョルスキー・ザボディ社(圧力容器の製造)(3)ニジニー・ノブゴロド機械エンジニアリング工場(NMZ)(部品製造と原子炉組立て)――の三者が共同で実施。実際の作業と合格判定検査はNMZで行われ、原子力規制当局であるロシア連邦環境・技術・原子力監督庁およびロシア船級協会などで構成される合格判定委員会は、同炉が基準要項を満たしていることを確認した。

OKBMは完成した圧力容器をすでに5日付けでBZに向けて出荷したほか、炉内構造物についても8月中旬を目処に出荷する。BZでは今後、2011年中に最初のFNPP建設を完了し、翌12年の第4四半期には極東カムチャツカ地方のビリュチンスクに配置・運転を開始する計画だ。


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