経産省2010年度概算要求 エネ特別会計10%増

経済産業省は20日、10年度「経済産業政策の重点課題」と、これを踏まえた概算要求を発表した。「『危機の後』を見据えた新しい需要・雇用の創出」と「経済危機を乗り越えるための安心防衛・危機克服」を二本柱に据え、総額で09年度当初予算比10.9%増の1兆6169億円を要求。そのうちエネルギー対策特別会計は、同10.3%増の7756億円となっており、「低炭素社会の実現」と「資源・エネルギーの安定的な供給確保」を両輪に、地球温暖化対策、エネルギー安全保障、経済成長の一体的解決に加速的に取り組む。

原子力関連の計上額は、原子力教育推進のための副教材制作・普及、公聴・広報活動の効果的・効率的な実施などを盛り込んだ「原子力発電施設等と国民・地域との共生」で同3%増の1351億円、次世代軽水炉、全炉心MOX利用、再処理ガラス固化他、技術開発の推進で今年度ほぼ同額の159億円、原子力安全・防災対策で今年度ほぼ同額の317億円などとなっている。

概算要求に伴いまとめられた来年度重点課題では、昨秋に顕在化した世界金融危機の教訓に立ち、基本認識としてまず、「需要蒸発、需要飽和」、「価格下落」、「内需か外需か」、「資源価格の乱高下」、「将来不安」、「景気・雇用のまだら模様」の6つの「落とし穴」を掲げた。その上で、新しい需要・雇用を創出する「危機の後を見据えた取組」と、生活者や中小企業・地域社会の安心を守る「足元の危機への対策」の2つの視点から成長戦略の具現化に向け講ずるべき重点的政策を描いている。新需要の創出策として、特に、低炭素社会の実現が重点施策の1つに掲げられており、その中で、原子力発電については、設備利用率の向上と新規建設の着実な実現を図るとともに、新規導入国に対する支援・協力にも取り組む姿勢を示している。


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