柏崎刈羽7漏えい燃料対策 定格熱出力運転問題なし

東京電力は19日、柏崎刈羽原子力発電所7号機で発生した漏えい燃料に関し、当該燃料近傍の制御棒を全挿入した「出力抑制法」により、放射性物質の漏えいを抑制した状態で、定格熱出力運転の継続に安全上の問題はないとする報告書を原子力安全・保安院に提出した。

同社は、調整運転中の7号機で、先月23日より、気体廃棄物系の高感度オフガスモニタの値に上昇傾向が認められたことから、燃料棒からの放射性物質の漏えいと判断、プラント出力を降下し、漏えい燃料の位置調査を行い、装荷範囲を特定した上、当該燃料近傍の制御棒5本を全挿入した状態で定格熱出力での安定運転について評価を行った。漏えい燃料に関する安全性については、環境への放射性物質放出の制限値等が保安規定に定める規制値を十分に下回っているほか、東京電力では、放射性物質に関する監視を、関連パラメータのデータ採取・分析により強化することとしており、保安院は7号機の定格熱出力運転は安全上問題ないと評価している。

また東京電力、保安院とも、検査記録、健全性評価結果などから、燃料漏えいの原因は中越沖地震による影響ではなく、異物等によるものとみており、東京電力では次回定期検査時に、当該燃料を原子炉外に取り出し詳細な点検を行う予定だ。

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鈴木篤之・原子力安全委員長は、19日の同委臨時会議で、保安院より柏崎刈羽7号機の状況について説明を受け、東京電力と保安院の報告を「妥当」とする一方、今後の経緯を慎重かつ精確に観察する上で、同機の調整運転を一定期間は継続し、また、地域住民への説明責任から、高感度オフガスモニタによる観測データを日常的に公開することを求める見解を述べた。


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