ロシア バルチック原発計画が進展 近隣諸国への電力輸出も

ロシア原子力産業の民需部門を統括するアトムエネルゴプロム社は19日、カリーニングラード州で検討中のバルチック原子力発電所建設計画について環境影響評価会議が開かれ、今年の10月にも建設認可を申請する目処が付いたと発表した。

カリーニングラード州はバルト海に面したロシアの飛び地で、周囲をポーランドやリトアニア、ベラルーシに取り巻かれている。120万kW級VVERの標準設計「AEP2006」の建設が2基計画されている点はレニングラード原子力発電所U期工事と同じだが、同国の建設計画リストの中では「特別プロジェクト」という位置づけだ。

関連報道では、主契約業者をロシアの原子力輸出企業であるアトムストロイエクスポルト社とし、発電電力の3分の2はバルト三国やポーランド、ドイツ北部への輸出が想定されているとの情報もある。また、初期投資額の49%までを外国企業からの投資で賄う計画だと伝えられており、ロシアの電力輸出入担当企業であるINTER−RAO−UES社が欧州企業に投資を呼びかけているという。さらに、この件でスペインのイベルドローラ社がすでに、アトムエネルゴプロム社を統括するロスアトム社と交渉中だとも伝えられている。

現在、同建設計画では、立地調査と実行可能性調査の第1段階がすでに完了し、環境影響評価の案文が公開諮問に附された。アトムエネルゴプロム社としては9月中にも設計の初期段階を終え、10月に建設認可を申請。翌2010年7月頃に同認可を取得し、同年中に建設工事を開始したい考えだ。1号機の運転開始は2016年に、2号機は18年に予定されている。


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