仏 GDFスエズ社 EPR建設計画でシミュレータ発注

欧州第2位のエネルギー企業で仏国政府が株式の3割を保有するGDFスエズ社は18日、仏国のコリス−TESS社に欧州加圧水型炉(EPR)用のエンジニアリング・シミュレータを発注した。

GDFスエズ社は、昨年7月に仏ガス公社(GDF)とエネルギー環境事業大手のスエズ社が合併して成立した。子会社であるベルギーのエレクトラベル社を通じて同国の原子力発電プラント7基をすべて操業するなど、原子力事業の拡大を積極的に進めており、仏政府が1月末に発表した国内2基目のEPR建設計画(セーヌ=マリティーム県のパンリー原子力発電所3号機)にも参加予定。首相府の5月の発表では、このパンリー3号機計画のプロジェクト企業についてフランス電力(EDF)が50%プラス1株を所有する一方、GDFスエズ社は33.33%プラス1株を所有することが決まっている。

コリス社の発表によると、受注したシミュレータはベルギーのブリュッセルに設置予定で、民生用原子炉の安全および運転に関する専門家チームのためのEPRエンジニアリング・運転資料センターとして活用される。先進的な原子炉設計と安全解析用のツールとなることから、EPRとその運転モードに特化した分析に役立つとしている。

コリス社はこのほか、EPR原子力系統の運転すべてを詳細に文書化したものや、通常の運転モードから軽微な事象、事故時までを想定した数々の運転シナリオ、運転員のための一連の訓練コースを供給する予定で、EPR原子力系統全体のフル・スケールなシミュレーションが可能になる。

また、同シミュレータによってGDFスエズ社は、EPR専用のエンジニアリング・チームを育成するとともに、運転モードと安全解析の理解を深めることができるとコリス社は強調。さらには、それらのエンジニア達が将来のEPRを設計するのにも活用できるとしている。


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