六ヶ所再処理施設 竣工、来年10月に延期 セル内機器点検を徹底

日本原燃は8月31日、六ヶ所再処理施設の竣工時期を本年8月から来年10月まで延期する工事計画変更を経済産業省に届け出た。本格操業開始後の長期運転を考慮し、ガラス固化施設セル内の機器点検等を徹底して実施するもの。同施設の竣工時期変更は、法令に基づく事業指定以降、14回目。

今後の工程としてはまず、セル内の洗浄作業を今月上旬より開始し、終了後、12月までを目途にセル内機器点検で直接廃液が付着した機器を洗浄、絶縁抵抗値の回復等、効果を確認するともに、高レベル廃液の硝酸成分の影響を受けた可能性がある約220機器すべてを点検し、必要に応じ補修する。その後、溶融炉を加熱し、炉の底部に落下したレンガを遠隔操作で引き上げ回収、炉内に溜まっているガラスを抜き出し、炉内観察を行う。続いて来年7月までを目途に再度、セル内点検を実施、残留物を回収し、試験運転再開の準備を整える。また、ガラス固化施設再開に万全を期すため、実規模モックアップも活用して、データの収集・分析に努めることとしている。

今回の変更により、本年度160トン、来年度320トンで予定されていた再処理計画はそれぞれゼロ、80トンとなった。

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再処理工程の延期を受け、望月晴文・経済産業事務次官は同日の次官会議後会見で、「原子力立国計画」に基づくサイクル政策が着実に進展するよう、「新しい竣工計画の完全実施に向け努力」していく必要を述べた。


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