経産省・保安部会 01年以降の取組を省み 原子力安全規制の課題を整理

経済産業省の原子力安全・保安部会「基本政策小委員会」(委員長=村上陽一郎・東京理科大学科学教育研究科長)は10日、原子力安全規制に関する課題整理を行った。同小委員会では4月より、01年の原子力安全・保安院発足以降、講じられた施策の実績、内外の社会環境の変化を踏まえ、同院、事業者を含む関係機関の安全確保への取組、ステークホルダー・コミュニケーション、規制機能の維持・強化等について議論してきた。

課題整理では冒頭、これまでの保安院の取組に関して、01年に保安部会がとりまとめた報告書「原子力の安全基盤の確保について」に示される「制度的基盤」、「知識基盤」、「人材基盤」の整備について、いずれも「前進が確認された」などと評価する一方、自主点検不正問題、美浜3号機事故、中越沖地震による柏崎刈羽全号機停止など、「事故・事案への対応に忙殺された8年間」だったとしている。

その上で今後、取り組むべき課題を、「安全規制における経験と知見の活用」、「規制対象の変化を見越した取組」、「経済的・国際的な状況変化への対応」、「ステークホルダー・コミュニケーションに関する取組」、「機能的な規制機関への取組」に分類・整理した。

「安全規制における経験と知見の活用」では、本年度から実施されている新検査制度に対応した保守管理体制の充実、中越沖地震を踏まえた耐震分野での最新知見の反映、「トピカルレポート制度」の運用・推進、リスク情報の活用方策の検討などを掲げた。

「規制対象の変化を見越した取組」では、今後、拡大・多様化が見込まれる規制対象として、中間貯蔵、廃止措置、放射性廃棄物の処理・処分、次世代軽水炉をあげ、分野横断的な関係機関間の連絡調整をとりつつ、適時・的確に対応していくことを指摘している。

「経済的・国際的な状況変化への対応」ではまず、既存設備の有効利用に対する安全規制として、出力向上、新検査制度導入に伴う長期サイクル炉心、運転中保全に関する安全性評価をあげ、保安院には、事業者の取組の目的や内容を把握しつつ、安全確保を確実に行う観点から、厳正な対応がなされるよう求めた。また、原子力利用のグローバル化を見据え、多国間設計評価プログラム(MDEP)への積極的参加、メーカーの製造段階における検査(ベンダーインスペクション)の取扱い明確化にも言及している。


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