リトアニアの安全規制当局 廃棄物管理2施設の建設許可

リトアニアの原子力発電安全規制局(VATESI)は8月31日、イグナリナ原子力発電所に対して放射性固体廃棄物管理施設の建設を認可したのに続き、9月3日には使用済み燃料中間貯蔵施設の建設を認可した。両施設とも同発電所の敷地内に建設予定となっている。

リトアニアで唯一の原子力発電所である同発電所では、チェルノブイリ発電所と同型の軽水冷却黒鉛減速炉(RBMK)が2基(各150万kW)設置されているが、欧州連合(EU)への加盟条件として同国は両機の閉鎖に合意。2004年に1号機を閉鎖したのに続き、今年末には2号機の閉鎖を約束しているため、両機の廃止措置に伴う放射性廃棄物や使用済み燃料の管理処分施設の建設を急いでいる。

VATESIは認可に際し、両施設の操業前に実施すべき共通の条件を提示。すなわち、@建設現場に警備設備を設置するなど核物質防護を保証するA廃棄物管理作業で資格を有する技術者を確保する――だ。さらに使用済み燃料施設に関しては、破損した燃料の管理計画を2010年9月までに別途準備し、承認を得ること、また固体廃棄物施設の建設には、作業の進捗と設備点検の監督が可能な計画書をVATESIに提出することを前提条件としている。

イグナリナ原子力発電所は05年1月、独GNS‐ニューケム社と使用済み燃料施設の設計および建設に関する契約を、同年11月には固体廃棄物施設の設計、建設について契約を締結。前者の操業開始は11年を予定しており、同発電所の2基からの使用済み燃料は専用容器「CONSTOR」に格納した上で50年間、中間貯蔵施設内に保管する。また、廃棄物管理施設は廃棄物の回収、処理、50年間の貯蔵など作業ごとに設備が分けられているが、操業開始はいずれも12年の予定である。


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