【写真企画特集】 中国電力・島根3建設現場 工事最盛期 原子炉圧力容器も据え付け

本紙7月23日付号既報の通り、11年12月の営業運転開始を目指す中国電力島根原子力発電所3号機(島根県松江市、ABWR、137.7万kW)の建設現場では、7月17日に、原子炉圧力容器のつり込みが行われるなど、現在、建設工事は正に佳境を迎えている。松江市長も見守る中、世界最大級の大型クローラクレーンを用いて行われた原子力発電所の心臓部据付を中心に現地の模様を紹介する。(石川 公一記者)

7月17日、朝方までの豪雨により、一時は実施が危ぶまれたものの、天候は持ち直し、午前10時より原子炉圧力容器つり込み作業が開始された。内径約7m、高さ約21m、胴体部板厚約17cm、重量約910トン(つり込み時は上蓋がないため約820トン)、同機建設工事の中では、最も重いつり込み設備となる。

中国電力で3基目の原子力発電所となる島根3号機は、04年3月に準備工事が開始され、その後、国の設置許可を得て、05年12月に着工となった。同機に採用される原子炉は、柏崎刈羽6、7号機など、既に国内4基で実績のあるABWRで、原子炉内蔵型再循環型ポンプ、改良型制御棒駆動機構他の採用により、安全性・信頼性の一層の向上を図っている。また、大型クレーンを用いたモジュール型工法は、工事の安全・品質向上、建設工期の短縮に貢献しており、これら最新の技術は、わが国の原子力施設建設の標準となるだけでなく、今後、原子力発電を新たに導入する新興国にとっても、大いに関心が向けられることだろう。


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