革新技術の結実訴え 近藤委員長 国際会議で講演

近藤原子力委員会委員長は9月29日の委員会で、パリで開催された欧州原子力学会主催による国際会議「GLOBAL2009」、ウィーンで開催された「第53回IAEA総会」および英国原子力関係機関への出張報告を行った。

近藤委員長が「GLOBAL2009」に参加したのは7日、8日。会場ではビゴ・仏原子力庁長官やボリス・燃料サイクル技術研究開発プログラム部長と、8日には日本大使公邸を訪れ斉藤駐仏大使との意見交換も行った。

ビゴ長官は基調講演で、各国で原子力発電が推進されている状況について、この取り組みが持続していくためには核燃料サイクル分野における進展が不可欠であり、この分野の革新技術に関する研究討議により更なる推進を期待するとした。

近藤委員長は「核燃料サイクルを支える研究開発」と題するパネル討論で以下の点を指摘した。

▽原子力に対する関心は増しているが、技術的にはなおウランを石炭のように使う技術から脱皮しておらず、今は革新技術の夜明け前にいる。

▽いま我々に求められているのは、原子力新興国が間違いを犯さず確実に原子力発電を推進するのを応援すること、次世代の原子力利用を支える若手を育成すること、核燃料サイクルに係わる短期・中期・長期での研究開発活動を並行して推進していくことだ。

▽安全性、核拡散抵抗性などの技術が備えるべき性能の目標は社会の定めるものであり、技術者はこうした目標の内容を国際政治学者と対話しながら決めるべきである。

14日にはIAEA総会に野田科学技術担当相と参加した。


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