ベルギー 政府の専門家Gr. 原子炉の運転延長を勧告

2003年に脱原子力政策を可決したベルギーでは、同政策見直しの可能性を示唆する動きが徐々に現れて来ているが、同国政府の設置した専門家グループ(GEMIX)は1日、既存原子炉の運転期間延長を勧告する最終報告書をエネルギー・気候省のP.マグネッテ大臣に提出した。

エネルギー関係の国際的な専門家で構成されるGEMIXは、2020年〜30年までを視野に、安定した価格や供給性など理想的なエネルギー・ミックスについて調査。主な勧告事項として、2020年までにエネルギー消費量の15%削減と再生可能エネルギーのシェアを総需要量の13%まで拡大させることを提案している。

しかし、たとえこれらの目標を達成したとしても、エネルギー生産部門では、2015年に脱原子力政策による運転期限の40年を迎えるドール1、2号機およびチアンジュ1号機の運転期限を10年間延長しなければ発電量の不足分を補うことは出来ないと指摘。後続のドール3、4号機、チアンジュ2、3号機についても20年延長し、2040年代まで運転する必要性を強調した。

これについてエネルギー相は、最初の3基の運転を延長すれば、COの排出量を実質的に抑え、電力料金レベルを維持するのに有効かもしれないとの見解を示している。

この報告書は経済中央審議会と「持続可能な開発のための連邦審議会」による審査を経て、エネルギー相に提出されたが、同相は実際に運転延長の決定を下すためには、次のような条件を満たす必要があると言明した。すなわち、再生可能エネルギーやエネルギーの効率化に多額の投資を回すことが可能になること、放射性廃棄物の管理などに有効な技術の研究開発が促進されること−−など。同相は同報告書を元に、政府への提案書を作成する予定だ。


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