原技協 NHK番組に見解表明 「木を見て森を見ず」

日本原子力技術協会(=原技協、藤江孝夫理事長)は16日付けで、10月11日夜に放映されたNHKスペシャル「原発解体――世界の現場は警告する」について、同協会の見解を取りまとめ、NHKに送付すると共に、ホームページ上に掲載した。

原技協では今回の報道について、「多くの成功例や背景に触れずにいくつかの失敗例で結論に導くような報道となっており、『木を見て森を見ず』の報道姿勢に疑問を持たざるを得ない」と指摘し、技術的な反論を加えている。

番組では、解体技術の困難性を強調する内容になっているが、「解体技術は、今や適切に技術を組み合わせ、いかに合理的に実施するかというシステムエンジニアリングの段階」として、国内外の解体実績をどのように評価しているのか、と疑問を呈した。また、処分場についても、ドイツの例をもって処分が技術的に極めて困難な印象を与えているが、処分場の建設に当たっては、「技術的な問題と民主的なプロセスの問題を分けて考えるべき」と指摘している。

原技協では最後に、「今後、科学的な番組を制作する際には、事実に基づく客観的な立場での制作に努めてほしい」と要望している。


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