小山田安全委員が米機械学会特別貢献賞を受賞 米国基準の改定活動にも参画 構造規格作りに長年貢献

2009年米国機械学会(ASME)の特別貢献賞(Dedicated Service Award)を小山田修・原子力安全委員(=写真)が受賞した。

10月13日から16日まで神戸で開催された米国機械学会と日本機械学会の連携会議の場で授賞されたもので、特別貢献賞は10年以上にわたって同学会の活動に対し顕著な貢献のあった者に贈られる。原子力を含めて米国機械学会の広範な活動のなかで、規格分野からは年に1名のみが受賞する権威ある賞。原子力分野で日本からの受賞は、故朝田泰英・東大名誉教授に続く2人目だ。

小山田委員は、原子力発電所の構造規格の作成・改定に30年以上携わってきた専門家で、日本機械学会における規格制定に長年尽力してきた。

1991年から米国機械学会の原子力発電所の機械設備の構造規格(セクションV)改訂活動に参画してきた。日本から一線で活躍する専門家として、その貢献が認められた。今年4月に安全委員に就任するまで日本機械学会の発電用設備規格委員会の委員をつとめ、現在はアドバイザーを務めている。

今回の受賞にあたって小山田氏は「私個人というより、日本機械学会の発電用設備規格委員会の委員を主体とする日本からの多くの参加者の寄与が認められたためと思われるので、その方々に感謝している」と、日本の関係者の努力が評価された結果であることを強調した。また例年、この賞の発表は一切受賞者本人への事前通知がないため、自身「大変驚いた」と明かした。

日本機械学会の発電用設備規格委員会は、日本における原子力プラント機器の構造規格を作成しており、同委員会の委員をはじめとして、米国機械学会の規格制定に日本からも多くの技術者が貢献している。米国機械学会の原子力設備の構造規格セクションVに定められた規格は世界的に取り入れられ、現在日本でも原子力発電所や再処理プラントの構造規格のベースになっているもので、日本の技術者の役割が年々増している。

原子力ルネサンスの動きが世界的に顕在化してきているなかで、原子力産業のものづくり力と並んで、こうした規格基準の整備といった知的インフラは、日本の技術力の強さを支える重要な要素のひとつ。

同氏は、「最新の知見を常に反映していく必要がある」として、規格改訂に不断の取り組みの重要性を指摘するとともに、今回の受賞が、日本の規格整備の取り組みの一層の充実に、はずみをつけることに期待を示した。

安全委員就任後、多忙な毎日だが、休日には関心ある歴史の本に目を通す教養人の一面も。


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