新規原子炉建設計画で フィンランドの原子力規制当局 フェンノボイマ社を「有資格」と裁定

フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)は20日、フェンノボイマ社の新規原子炉建設計画について事前評価した結果、「原子力法に従い安全に原子炉を建設する資格を有している」との裁定を下した。

フィンランドの電力コンソーシアムであるフェンノボイマ社は今年1月、新規原子力発電所建設に関する原則決定(DIP)を政府に申請。2012年頃に着工、18〜20年頃の営業運転開始を目指している。STUKは、この計画全般に関する安全性――特に立地候補地、原子炉の候補設計、および原子炉を建設する上での同社の資質など――について事前審査を実施していたもので、同日、こうした評価結果を雇用経済省に報告している。

STUKによると、フェンノボイマ社が立地候補地としているピュハヨキ、ルオツィンピュフター、およびシモの3地点はいずれも原子炉の建設に適している。3地点それぞれに利点と不利点があることから、STUKとしての選好順序はつけない。

また、フェンノボイマ社が提案している原子炉設計――東芝製の160万kW級ABWR、および仏アレバ社の170万kW級EPR(欧州加圧水型炉)とKERENA(出力125万kWの改良型・単純化BWR)――については、「国の安全基準すべてを満たしているわけではないが、認可手続き段階の改造により規制要件を満たすことが可能」との評価を下している。

フェンノボイマ社そのものに対する評価としては、「原子炉の建設と操業における高レベルな品質保証と良好な安全文化を備えた管理システムを構築する必須条件を備えている」と指摘。このほか、核燃料や廃棄物の管理等に関する法的要件についても同社が満たしていることを保証した。

フィンランドではこのほか、フォータム社およびテオリスーデン・ボイマ社(TVO)も原子炉の新設を計画。STUKはこれらの計画についても同様の評価を実施中だ。


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