仏安全局 カダラッシュの事象はレベル2

仏原子力安全規制局(ASN)は14日、カダラッシュで解体中のMOX燃料製造工場でプルトニウム蓄積量の推量管理ミスがあったにも拘らず、ASNへの届出が数か月遅れたことを重く見、国際原子力事象評価尺度(INES)でレベル2に相当すると裁定した。

1964年に操業開始した同施設(ATPu)は、仏アレバ社が91年に仏原子力庁(CEA)から引き継いで、主に高速炉用のMOX燃料を製造していた。03年に約40年間の商業運転を終了するまでに約50トンのプルトニウムをリサイクル。昨年3月から解体作業が行われており、立ち入り不能なグローブボックス部分には操業終了当時、合計約8kgのプルトニウムが蓄積されていると見積もられていた。

しかし、解体作業開始後、新たに22kgのプルトニウムが回収され、蓄積量は今後の精査で約39kgに達する見通しとなっている。

CEAでは今年6月頃この事実に気付いたにも拘らず、ASNに報告したのは今月6日になってから。ASNでは、蓄積量の過少見積もりは臨界事故防止上、安全裕度を損なうことであり、操業期間中にこれを探知できなかった上、ASNへの報告が遅れたことは安全文化の欠如を露呈していると言明。ASNは9日に独自の検査を行った結果、同事象をINESの7段階評価で「異常事象」を表すレベル2に分類するとともに、解体作業の停止を命じている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで