韓国高稼働率に注目 安定して90%レベル維持

10月26、27日の2日間、東京・港区のアジュール竹芝で開催された第30回日韓原子力産業セミナーで、韓国の原子力発電所の稼働率が90%を上回る世界的に見ても極めて高い水準にあり、しかもその水準を10年以上にわたって維持していることが、改めて参加者の注目を集めた。日本は98年の最高水準でも84.2%にとどまっており、上表の通り90年以降は常に日本の平均稼働率を上回っている。

韓国からの発表によると、08年の合計20基ある原子力発電所の平均稼働率は93.4%で、1基当たりの計画外停止は0.4回、燃料交換のための平均停止日数は32日間だった。韓国標準型PWRのウルチン3号(100万kW)では、同停止期間が20日という最短記録を達成した。

韓国の運転サイクルは標準的には20か月以内、初期のころの原子力発電所とカナダ型重水炉CANDU炉は15か月以内となっている。

燃料交換停止の実施については、運転サイクルごとに、長期として10回、中期として3回分というように段階的に計画を策定したうえで、12か月前にマスター計画を作り、さらに2か月前に詳細計画作りを行う方式を採用している。

燃料交換や検査の工程管理は、韓国水力・原子力発電会社が協力会社と共に発電所に設置した「工程管理センター」が、役割分担し進捗状況を逐次モニターして、同電力本社に報告する。

実際の検査も検査機関と事業者が、検査の方法について緊密に連絡・確認を行っている。両者で、検査前の会議、臨界前の確認会議などを経たうえで、規制当局に報告し、運転再開の了解を得る仕組みだ。

燃料交換停止・検査の最適化のために、@99年からは、炉型ごとの標準作業時間などを盛り込んだ標準工程表を作成し、それをベースに作業を管理A海外の専門家に、メンテナンス作業の改善点を洗い出してもらう取り組みB05年以降は毎年、各発電所の燃料取替え設備の更新を順次実施――するなどの改善に取り組んできた。

将来的には、14年には標準型炉で計画停止を21日平均、平均稼働率94%、1基当たりの計画外停止回数を年0.2回という「9402目標」を掲げて、さらなる安定運転をめざす。


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