原子力機構 安全性総点検報告 「もんじゅ」再開できる状況

日本原子力研究開発機構は9日、「もんじゅ」試運転が「再開できる状況に至っている」とする第5回目の安全性総点検報告を原子力安全・保安院に提出した。本報告は13日に、同院の専門家会合で審議に付される見通し。原子力機構では、今年度中の「もんじゅ」試運転再開を目指している。

「もんじゅ」安全性総点検は、ナトリウム漏えい事故の原因調査から摘出された問題点を踏まえ、(1)設備改善(2)品質保証体系・活動の改善(3)運転手順書・運転管理体制等の改善(4)安全性研究等の反映――の事項について、01年、国が同機構に対し、安全性確認を指示し、07年までに4回の報告がなされている。

今回報告では、品質保証、運転管理、設備改善、長期停止設備の健全性確認、保全プログラムに基づく保守管理等、昨年、発生したナトリウム漏えい検出器の誤警報や屋外排気ダクトの腐食などを踏まえた改善活動を総括している。

さらに、「もんじゅ」試運転再開に向けた諸準備を確認するため、現地にて実施した理事長らによる臨時マネジメント・レビューについて、「現場が試運転を再開できる状況に至っている」との結果を示すとともに、今後も、強いリーダーシップのもと、「現場と一体となり安全を第一に透明性を確保し、試運転再開、さらには性能試験の実施に取り組む」姿勢を表明している。

「もんじゅ」試運転再開に際して、国は去る5月、品質保証上の課題や長期間停止による設備の経年劣化などを踏まえ、設備面、安全管理面での取組について、安全性総点検の追加報告を機構に求めている。

一方、福井県では、今回の報告書提出に関し、県の専門委員会で厳正に確認を行っていくこととしている。


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