ポーランドの原子炉建設支援 仏国が全面協力へ

仏国とポーランド両国は5日、エネルギーと環境および温暖化の問題に協力して取り組んでいく共同宣言に調印し、仏国はポーランド初の原子力発電所建設を支援していくことになった。

これはポーランドのD.トゥスク首相がパリを訪問した際、農業や防衛など両国間の様々な分野における協力合意の1つとして、仏国のN.サルコジ大統領と結んだもの。エネルギー供給構造の技術的および地理的な多様化と気候温暖化防止のためのエネルギー効率化を通じて、欧州連合(EU)域内におけるエネルギー供給の保証を目的としている。

ポーランド政府は2006年、EUによるCO排出削減目標の達成などのためにバルト3国による原子力発電所共同建設計画への感心を表明したが、出資比率や電力配分などで参加国間の調整が行き詰まり、今年1月に独自の原子炉建設作業計画を公表。経済省が5月に作成した「2030年までのエネルギー政策」最終案文に基づき、8月には議会が、2020年までに初号機の運開を目指す原子力開発ロードマップを承認している。

仏国は今後、ポーランドでの原子力発電所建設や研究開発および人材育成を具体的に支援していくため、仏原子力庁(CEA)がポーランドの複数の研究機関による連合体と協力協定を締結。仏国内でポーランドの大学のための訓練プログラムを実施するほか、フランス国際原子力支援機構(ANFI)がポーランドの関係当局と協力し、同国原子力産業界における人材育成を目的とした最良のシステムを構築する。仏国はまた、ポーランド国営のエネルギー・グループSA(PGE)社に対し、原子力開発ロードマップに明記された2020年の初号機運開を実現するため、技術的な支援を提供するとしている。

PGE社の投資計画によると、現段階では出力300万kWの原子炉2基の建設を検討中。2016年に初号機に着工できるよう、開発日程の大枠の策定や、サイトと原子炉設計の選定、認可の取得などを進めて行く。


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