仏電力 米CEGの原子力資産買収を完了

フランス電力(EDF)は6日、昨年末に公表していた米コンステレーション・エナジー社(CEG)の原子力発電事業買収計画に基づき、同事業の49.99%を購入する手続きを完了。同部門は新たな原子力合弁企業として組織改革されることになった。

これは、著名な投資家であるW.バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ社の傘下企業によるCEG社買収を阻止するために取られた措置。EDFはかねてより、CEG社との合弁企業であるユニスター社を通じて、米国の新規原子炉市場に対する仏アレバ社製US・EPRの売り込みを進めている。バフェット氏のCEG社買収を退けたことにより、CEG社が米国で保有する原子力発電所の所有権が同氏に渡るのを防ぐと共に、EDFは米国原子力市場における仏国のプレゼンス維持に成功したと見られている。

昨年9月、金融恐慌により株価が急落したCEG社は、一旦はバフェット氏の買収案を受入れた。しかし12月には、EDFの案――(1)EDFはユニスター社分を除くCEG社の原子力発電事業の49.99%を45億ドルで購入(2)EDFは前払いで10億ドルを現金投資(3)CEG社は非原子力事業資産を最大20億ドルでEDFに売却可能――に同意している。

その後、米原子力規制委員会(NRC)は今年10月初頭、EDFによる買収案を承認した。また、同月末には、地元メリーランド州の公共事業委員会が、「CEG社の子会社で、州が統制するガス火力発電会社から電気を購入している州民に悪影響が及ばぬこと」などの条件付きで新たな原子力合弁企業の設立を承認。EDFは急遽、買収手続きを実行に移したもの。


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