進む、英国からのガラス固化体受入準備 輸送回数37分の1、大幅な減容

日本原燃は、英国に再処理委託して出てきた高レベル放射性廃棄物のガラス固化体を、青森県六ヶ所村の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターの施設に初めて受け入れる準備を進めている。

英国からの高レベル放射性廃棄物の返還については、今回初めて、輸送容器1個にガラス固化体28本をつめて、12月から来年3月までの間に、セラフィールド再処理工場から輸送してくる。核燃料物質等の重量は28本で計約14トン、輸送容器も含めた総重量は約114トン。

日本原燃では10月20日に原子力安全基盤機構に対して、核燃料物質等運搬物確認申請を行っており、輸送物が事業所外での車両運搬など「技術上の基準」に適合していることの確認を同機構から受ける。具体的には、(1)輸送容器表面および1m離れた位置での各線量当量率(2)輸送中、人が容易に近づける表面の温度(3)輸送容器表面の放射性物質の密度――などを確認する。

英仏への再処理委託で発生する放射性廃棄物は、すべて委託元の我が国電力事業者に返還されることになっているが、英国については、低レベル放射性廃棄物を高レベル放射性廃棄物に交換して返還することにより、当初の高レベル廃棄物約850本、低レベル廃棄物約1万2000立方mが、低レべル廃棄物全量が高レベル廃棄物約150本(約30立方m)に換算、返還されることになった。

それに伴い、輸送回数は高レベル8回(約8年)、低レベル37回(約10年)の計画だったものが、高レベル廃棄物輸送のみとなり、輸送回数の減少により、輸送費用の大幅な削減などが可能となった。

なお、フランスからの低レベル放射性廃棄物の返還輸送は2013年以降から開始される見通し。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで