英新設計画で合弁企業を設立 E・ONとRWE

今年1月に英国における新規原子炉建設を目的に合弁企業の設立を発表していたドイツのE・ON社とRWE社は5日、同企業の詳細を明らかにした。

企業名は「ホライズン・ニュークリア・パワー社」で、今月16日から英国グローセスター近郊を本拠地に正式に事業を開始。E・ON社とRWE社の出資比率は50対50で、2025年までに英国で600万kWの新規原子炉建設を計画している。このうち最初の1基は2020年の完成を目指している。

同社はすでに今年初頭、グローセスター州南部のオールドベリー、および北ウェールズのウィルファ両原子力発電所の隣接区域を用地として確保。150億ポンドを上回る資本を投入予定で、地元には各800名分の正規雇用を含め1万1000名分の雇用を創出する見込みだ。

また、採用炉型の選定作業も進行中で、英国政府による包括的設計評価(GDA)の対象となっている仏アレバ社とウェスチングハウス(WH)社に対して競争入札手続きを進めている。現在、E・ONおよびRWEの両社の専門家が技術的、商業的な評価を実施している段階で、来年初頭にもメーカーと交渉を行う段取りだ。

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セントリカ社も新設計画に参加

欧州委員会(EC)は12日、英国のセントリカ社が保有しているベルギー第二の電力会社であるSPE社の株式51%を、フランス電力(EDF)に売却することを条件付きで承認した。

この取引構想は今年5月にセントリカ社が公表していたもので、実際にSPE社株を保有するベルギーのセゲベル社の支配権が、セントリカ社からEDFに売却される形だ。これと引き換えに、セントリカ社は今年8月、EDFが保有するブリティッシ・エナジー(BE)社株20%の購入についてEDFと合意済み。これら2件の取引は相互依存的で、今月26日に同時に手続きが完了する。セントリカ社はまた、EDFが英国の新規原子炉建設計画に参加するため設立したEDFエナジー社株20%の取得も予定しており、EDFとは20対80の出資比率で合弁企業を設立し、EDFが英国で計画しているEPR4基の建設、操業、廃止措置プロジェクトに参加していくことになった。同社はかねてより原子力を英国の新規電源開発計画における重要技術と位置づけており、「英国の原子力ルネッサンスに参画できることを誇りに思う」との談話を発表している。

なおベルギーではすでに、最大手の電力会社であるエレクトラベル社が仏政府出資のGDFスエズ社の子会社となっている。このためECは、ベルギー第二の電力会社であるSPE社までもが仏政府(EDF)の支配下に入る今回の取引に関して、競争原理を損なう可能性を審査していたもの。EDFはベルギーで進めていたガス火力発電計画2件のうち1件を手放すなどの条件で、SPE社株の購入が認められた。


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