スロバキア 原子炉建設JV発足へ ボフニチェ5計画を加速

スロバキアの経済省は9日、国営のバックエンド企業であるヤビス社とチェコ電力(CEZ)の合弁企業である「JESS社」の設立を承認した。欧州委員会(EC)はすでに11月に同社を承認済みであるため、JESS社は2009年内に正式に発足。スロバキアのボフニチェ原子力発電所で5号機の増設・運転担当会社として、建設計画を加速していく見通しだ。

JESSの設立については今年5月末、ヤビス社とCEZ社が株主間契約を締結し、株式の51%をヤビス社が、残りの49%をCEZ社が保有。経済省によると、ボフニチェ5号機の建設はスロバキアの歴史においても最大規模の投資事業で、同国のエネルギー自給率向上に重要な役割を果たす。経済危機下での投資とはいえ、新たな雇用の創出が可能になるほか、直接的、間接的な税収と企業配当金が見込めることから、JESS社の設立を承認したとしている。

ボフニチェ原子力発電所では、スロバキアが欧州連合に加盟する際の条件として、旧ソ連製の古いPWRである1、2号機(各44万kW)が2006年と08年に閉鎖。現在、3、4号機(旧ソ連製PWR、44万kW×2基)のみが稼働している。5号機については、2010年中に実行可能性調査を実施、13年頃に出力100万〜160万kWの西欧製原子炉の建設を開始し、20年の完成を目指す計画だと伝えられている。


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