女川3号機プルサーマルに許可 東北電力 住民説明、誠意尽くす

経済産業省は8日、東北電力女川原子力発電所3号機(BWR、82.5万kW)でのプルサーマル実施に係わる原子炉設置変更を許可した。国内原子力発電炉では10基目、BWRでは6基目、女川3号機は02年1月に営業運転を開始しており、現在、運転中のプラントで国からプルサーマル実施許可を受けた最も新しい発電炉となる。同日、東京・霞ヶ関の経産省庁舎にて、寺坂信昭・原子力安全・保安院長が、梅田健夫・東北電力副社長に許可文書を手交した。

東北電力は08年11月、経産省に同機プルサーマル実施に関する原子炉設置変更許可を申請、合わせて立地地域に対し、安全協定に基づく事前協議を申し入れた。同省による安全審査後の原子力委員会および原子力安全委員会の二次審査は、昨年12月24日までに終了・答申されている。

女川3号機のプルサーマルでは、MOX燃料集合体を、取替燃料の一部として最大228体装荷する。

今回の設置許可を受け、東北電力の高橋宏明社長は、原子力発電所の安全・安定運転を継続するともに、プルサーマル計画に対する地域の理解が得られるよう、「誠心誠意説明を尽くす」とのコメントを発表した。

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宮城県、女川町、石巻市は12月28日、女川3号機でのプルサーマルに関する安全性についての見解案をとりまとめ、1月27日まで意見公募を実施している。

県市町は、東北電力からのプルサーマル実施申し入れを受け、安全性検討会議(座長=長谷川雅幸・東北大学名誉教授)を設置し、昨年10月より検討を進めてきた。

同会議での検討結果を受け、宮城県と女川町は、MOX燃料の健全性、品質確保、世界での使用実績、電力の安全管理体制など、主要な論点から、その安全性はウラン燃料利用の場合と変わらず確保できると判断、プルサーマル実施に際し、「女川原子力発電所としての基本的な安全管理は維持できるもの」との見解を示した。一方、石巻市は、現時点での自治体見解は差し控えるとしている。


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