鈴木安全委員長 今年初会合で年頭所感述べる 引き続き耐震安全性を重要課題に

鈴木篤之・原子力安全委員長は7日の同委本会合で、2010年の年頭所感を述べた。

冒頭で、「原子力安全に係わる国民の最も大きな関心は、引き続き耐震安全性にある」とした上で、07年の中越沖地震後の柏崎刈羽原子力発電所の復旧状況に触れ、地元自治体の取り組みに敬意を表した。安全委員会が今年、取り組むべき最重要課題の1つとしては、新耐震設計審査指針を策定した立場から、これに基づく耐震安全性評価を掲げ、「予断を持つことなく厳格に審議」していく考えを改めて強調した。

さらに、「もんじゅ」の運転再開準備、六ヶ所再処理アクティブ試験中のトラブル対応、使用済み燃料中間貯蔵施設の安全審査、余裕深度処分の安全評価など、核燃料サイクル関連の事案が今後、増えることを見込んだ上、安全委員会として必要な検討・審議を実施していくこととしている。

また、低炭素社会実現に向けた原子力への期待にも触れた上で、米国等の実績と比較し、日本の原子力発電は「明らかに見劣りがしている」と指摘し、安全委員会として「必要な意見を提示していくべきときに来ている」とも述べている。

原子力新興国の増加については、わが国の事故・トラブル事象の徹底解明や情報共有化の経験を、国際的に活かしていくことが、グローバル化時代を迎えた原子力を安全面で支える上で非常に有効と述べ、積極的な協力の姿勢を関係者らに訴えている。


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