放医研がIAEAと協力強化 放射線医療研究など 「協働センター」分野追加

放射線医学総合研究所(放医研)は14日、昨年12月21日付で、国際原子力機関(IAEA) から協働センターとして指定を受けたことを外交ルートを通じて伝達され、同日、放医研で正式に協働センターを発足し、活動を開始した。IAEAは、国際間の調整機関として活動しているが、実践的な研究や人材育成を行う組織を持たないことから、活動を支援する機関を世界に求め、これを協働センターとして指定することにしている。

昨年12月就任した天野之弥(ゆきや)IAEA事務局長は、就任演説のなかで、「原子力の平和利用、特に医療面への利用は、世界の人々の健康に、特にがんとの闘いに有用である」と発言した。2007年から生物影響研究分野の協働センターであった放医研は、これを受けて、放射線医療や生物影響研究など、互いに関連する放射線科学の重点3分野での研究開発と、人材育成を行う協働センター構想を提案し、審査を経て指定に至った。

IAEA協働センターは世界12か国、12機関あるが、日本では放医研が唯一の機関。

指定期間は4年間で、IAEA加盟国の医療関係者に対して教育訓練を実施するなど、協働センターとしての活動を行う予定。

放医研は、国内唯一の放射線科学を研究する専門機関として、その特殊かつ高度な施設、多様な人材を駆使し、世界の人々の健康のために貢献していく考え。


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