イランブシェール炉の圧力試験完了

ロシアのアトムストロイエクスポルト(ASE)社は13日、同社が90年代半ばに完成工事を請け負ったイランのブシェール原子力発電所(PWR、100万kW)で起動前の圧力試験が成功裏に完了したと発表した。同機の運開は再三にわたって延期されてきたが、国際原子力機関(IAEA)の原子炉データでは、同機の送電網接続予定日が今年7月1日と記載されており、イランの現在の計画どおり、3月末までに起動する可能性も高まっている。

同発電所では昨年3月に建設作業および機器類の設置作業が概ね完了。現在、起動計画に沿ってホット運転に入る前の準備段階の作業を実施中だとしている。一次系および二次系機器の圧力試験を含めた一連の試験により、安全性能がすべての要求事項をクリアしていることを入念に確認する。一次系の圧力試験では運転時の圧力を40%上回る250キログラム/平方センチメートルの条件で、二次系では110キログラム/平方センチメートルの圧力下で試験を実施。主要機器や補助機器、模擬炉心システム、および制御・監視システムなどが設計パラメータどおりに機能することを確証したとしている。

同機の初装荷燃料はロシアが2007年末から08年1月にかけてイランに納入。サイト内でIAEAが封印した状態にあり、昨年11月には実在庫量を確定する棚卸し検認(PIV)が行われている。


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