米オバマ大統領の2011会計年度・予算教書 原発建設 融資保証枠を3倍に

米国のB.オバマ大統領は1日、2011会計年度(2010年10月〜11年9月)の予算教書を発表し、新規原子炉建設支援のための政府融資保証額として10年度予算の3倍近い545億ドルを議会に提案する一方、ユッカマウンテンでの使用済み燃料処分場建設計画はゼロ予算に設定したことを明らかにした。同大統領が理想とする再生可能エネルギーだけでは、現実的に地球温暖化防止のための十分な効果が得られないことから、一般教書では苦渋の決断として原子力がクリーン・エネルギーの1つであることを強調。「安全かつクリーンな次世代原子炉の建設推進」を明確に打ち出したように、予算措置においても現実的な支援策を講じている。

エネルギー省(DOE)全体の予算額として同大統領が設定したのは約284億ドルで、2010年度予算から約7%増の見通し。商業化の初期段階にある革新的技術の開発支援として、先進的原子力発電所建設に対する融資保証はこれまでの185億ドルに360億ドルを加算し、合計545億ドルとしている。これにより、新しい原子力施設の商業化と原子力技術の研究開発および実証を加速していく。

一方、放射性廃棄物対策に関しては、核兵器製造サイトの除染等は継続するが、ネバダ州ユッカマウンテンを使用済み燃料および高レベル放射性廃棄物(HLW)の処分場とする計画は継続しないと明言。「実行可能なオプションではない」として、10年度に約2億ドルだった予算を11年度には盛り込んでいない。新たな廃棄物管理戦略の策定は同省原子力室で実施するとしている。

なお、オバマ大統領はYouTubeの独占インタビューで原子力への融資保証枠を3倍にした理由を問われ、次の様に見解を表明した。

「残念なことだが、当座はいかに迅速に再生可能エネルギー源を増やしたところで、膨大な量のエネルギー需要が賄い切れずに残る。問題は残りをどこから持ってくるかだが、原子力には温室効果ガスを出さないという利点がある。地球温暖化を憂慮する人間は、日本やフランス、その他の国々が一層積極的に原子力産業を展開し、大きな事故もなく供給量のかなりの部分を賄うのに成功していることを認めなくてはならない。使用済み燃料の貯蔵や安全性に対する懸念は心に留めているが、それでも我々が地球温暖化に真剣に対処しようとするならば、これは正しいことなのだ」。


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