米DOE長官 廃棄物処分対策で 特別委メンバーを公表

米エネルギー省(DOE)のS.チュー長官は1月29日、ユッカマウンテン処分場計画に替わる使用済み燃料および高レベル廃棄物の管理・処分方策を評価する特別委員会の委員、15名の氏名を公表した。

昨年5月の予算要求時にユッカマウンテン計画打ち切りを発表して以来、オバマ政権はようやく、廃棄物の貯蔵、再処理、処分等の選択肢の中から安全かつ長期的な管理方法策定に向けて具体的に始動。同委は18か月以内に中間報告、24か月以内に最終報告書を策定し、得られた知見と結論、および勧告を大統領と議会に提出する。

同委の委員長は、同時多発テロ対策で発足した大統領国土安全保障諮問評議会のメンバー、L.ハミルトン元民主党下院議員と、30年近い軍歴軍籍があるB.スコウクロフト元大統領(G.H.W ブッシュ)補佐官が共同で務める。このほか、民主党、共和党、産業界および学会から比較的バランスよく人選。原子力関係では、上院議員時代に2005年エネルギー政策法の策定に尽力するなど、積極的な推進派で知られるP.ドメニチ超党派政策センター・上級フェローや、R.メザーブ元米原子力規制委員会(NRC)委員長、米国最大規模の原子力設備を保有するエクセロン社のJ.ロウ会長兼CEOなどが含まれている。

昨年の構想段階で、同委の調査項目に挙げられていた選択肢は、@1つの処分場に深地層処分A現在のサイト内貯蔵場所に長期貯蔵B1か所以上の地方貯蔵施 設に長期貯蔵C再処理するDこれらを組み合わせる――など。しかし、ユッカマウンテンを活用する選択肢についてハミルトン共同委員長は、「ラス・ベガスから約100マイルの位置であり、オプションたり得ない」と発言している。

なお、原子力エネルギー協会(NEI)は、DOEが商業炉からの廃棄物引き取りという法定上および契約上の義務を果たそうとしているとして同委員会の設置を歓迎。その一方で、「原子力発電の事業者と需要家は原子力法に則り、80年代初頭から300億ドルを廃棄物基金に払い込んでいる。同基金はすでに220億ドルの超過となっており、年間7億5000万ドルの支払いは停止すべきだ」と訴えた。


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