[訃報]森一久・元原産副会長が死去

日本原子力産業会議(現・日本原子力産業協会)の副会長を務めた森一久氏が3日午前8時半、肺炎のため東京・築地の国立がんセンターで死去した。84歳だった。

通夜は4日、告別式は5日に親族のみで執り行われた。

同氏は、日本の原子力研究開発の黎明期に、国民的立場に立ち産業界の総意を結集する会議体として1956年に設立された「日本原子力産業会議」(会長=菅禮之助・電事連会長・東京電力社長)の設立準備段階から深く関与し、その後、同会議の役職員として約50年間、国の原子力開発利用長期計画の策定委員や、欧米先進国のみならず、旧ソ連・中国、近隣アジア諸国との国際協力などにも尽力した。

同氏は原子力発電と放射線の利用拡大に力を尽くすと共に、国際的な核軍縮にも心を砕き、国連総会に核兵器を解体し出てくる濃縮ウランやプルトニウムを平和利用に活用すべきとのメッセージを民間からいち早く提出した。

また、同氏は旧原産会議が1994年4月、広島市で「第27回原産年次大会」を開催する際、自らが京都大学物理学科在学中、夏休みの帰省中に広島の実家で被爆した事実を公表した。


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