米原子力エネルギー協会 ワシントンで原子力広報活動

米国の原子力エネルギー協会(NEI)は2日、原子力の大気汚染防止効果や経済性の高さをワシントンの連邦政府や州政府の政策立案者に訴えるため、新たな宣伝活動を大々的に開始した。

NEIの認識では、今や米国では、オバマ大統領のみならず、あらゆる党派の議員達が「原子力は電力需要を賄うための包括的なアプローチの一部でなくてはならない」と認めている。国のエネルギーと環境に関わる政策が審議されている重要な時期に、産業界としても温室効果ガスの排出削減や電気自動車への電力供給、輸入石油への依存削減など、消費者が原子力によって将来も享受できる多くの恩恵について明確に伝えていく計画だ。

今回の活動でNEIは、原子力の持つ特長について簡潔にまとめた6種類の印刷広告をワシントン・ポスト紙や、コングレス・デイリー紙など議会問題専門の媒体に7か月間にわたって掲載する。また、政治ニュースに特化したウェブサイトの「ポリティコ」やワシントン・ポスト紙のウェブサイト、およびワシントン特別地区のニュース専門ラジオ局にも意見広告を打つとしている。

印刷広告の中で使っている数値は米エネルギー省(DOE)その他の統計から引用したもので、原子力が電力料金を安く抑えているだけでなく経済を刺激し、米国のエネルギー供給保証に役立つことを現している。

すなわち、(1)原子力は米国の総電力需要量の20%を賄っている(2)原子力発電所は米国のすべてのCO2フリー電源による発電量の72%を供給しつつ、温室効果ガスの排出量はゼロ(3)新たな原子力関連施設により、過去数年間ですでに1万5000人分の雇用が創出されるなど経済を刺激している(4)原子力のkWh当たりの発電コストは1.87セントと大規模電源の中で最も低い(5)原子力は24時間体制で電力を供給できる(6)消しゴム大のウラン燃料ペレット1個で石炭1トン、天然ガスなら1万7000立方フィートと同量の発電が可能、だ。

NEIのS.ピーターソン担当副理事長は、「原子力のお陰で消費者が享受できるメリットのすべてを連邦政府や州政府のエネルギー・環境問題担当の政策立案者達に認識させることは、かつてないくらい重要になっている」と指摘。最近の米国民の意識調査で、彼らの選挙区民の84%が原子力を含めたCO2フリー電源すべての活用に同意しているほか、75%が「温室効果ガスの排出を抑制し、地球温暖化を防止する策の1つとして、米国は原子力の利用を拡大すべきだ」と回答している。


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