米CPS社とNINA社 STP3、4建設で和解

米国のサウステキサスプロジェクト(STP)原子力発電所3、4号機の建設費負担を巡って法廷闘争に発展していたCPSエナジー社とNINA社は17日、両社が和解し、同建設計画を共に進めていくことで合意したと発表した。

CPS社によると、同計画は昨年5月、米エネルギー省(DOE)から融資保証適用の有力候補に特定されている。今月1日にはオバマ大統領が融資保証枠の大幅拡大を議会に提案したことから、機を逃さず両社が協力して融資保証適用を確実なものとし、これまでの投資額を無駄にせずに2016年以降の完成を目指していく方針と見られている。

CPS社はテキサス州サンアントニオ市の公営ガス・電気事業者で、STP原子力発電所で稼働する1、2号機の株式の40%を保有している。 3、4号機の建設計画については、東芝と米NRGエナジー社が12対88の比率で出資するNINA社と共同で、当初、50対50の比率で参加を表明していた。その後、資金調達等に関する調査の進展とともに、CPS社は徐々に出資比率を縮小。昨年10月下旬に、3、4号機の建設費見積り価格が100億ドルから40億ドル上方修正されたとの情報を受け、同社は見積り価格の再提出を東芝に命じる一方で、裁判所を通じて建設計画からの撤退を検討し始めた。同社が裁判所に提訴した意図は、計画から撤退した場合の法的義務と責任を明確にするためだったが、NRG社は態度を硬化。法廷闘争の中でCPS社は、損害賠償金320億ドルをNRG社に要求するに至っていた。

今回の両社の合意は、今月12日にテキサス州の公共事業委員会が仲介した話し合いにより決着したもので、主な合意事項は次の通り。

@3、4号機の所有権はNINA社とCPS社でそれぞれ、92.375(設備容量260万kW)対7.625(20万kW)の比率で配分ACPS社の出資は今年1月31日までに生じた開発費の50%とし、それ以降に生じる経費はNINA社の負担とするB両社間のすべての訴訟を終結するC建設計画が政府の融資保証を適用されるのを待って、NINA社はCPS社に8000万ドルを支払うDNINA社は今後4年にわたり、CPS社が提携する地元の非営利団体に合計1000万ドルを寄付する――など。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで