東北大学 高温900℃にも耐える 低温での粒子付着技術開発 金属以外の材料にも適用可能

東北大学は、金属粒子温度が100〜200℃の「コールドスプレー法」による粒子付着技術を利用して、表面温度が900℃以上の環境下でも耐えうる革新的な補修・コーティング技術を開発した(下に概念図)。

計算科学を援用することで、金属スプレー条件を最適化し、耐熱材料であるニッケル基・超合金基材上に極めて緻密な皮膜を形成することに成功したもので、金属以外の材料にも適用可能なため、種々の環境で使用される機器・構造物への応用も期待できる。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の産業技術研究助成事業の一環として開発してきたもの。

現在、火力発電所や原子力プラントの構造物や自動車、鉄道、航空機などの輸送機器の部材、部品の多くに耐高温・高圧の材料が使われているが、長期間の使用による経年的な劣化は避けられない。劣化が軽微であれば、補修によって再利用されるが、従来技術の溶接法では、@補修施行時間が長期にわたるA熱影響部の発生が避けられないB特殊技能を必要とする――などの問題が存在した。

今回開発したコールドスプレー法による粒子付着技術は、熱影響、高温酸化、相変態の極めて少ない補修・コーティング技術となる。

表面温度が900℃を超える高温部材などに大気中での成膜であっても、付着層内に酸化物や気泡をほとんど作ることなく、極めて緻密なコーティングを形成することができる。皮膜も900℃で基材同等以上の特性があることも確認済み。


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