大村基盤課長 原産協会で講演 「よい規制へ一緒に汗かいて」

日本原子力産業協会は2月25日、第5回会員情報連絡協議会を東京都内で開き、原子力・安全保安院の大村哲臣・原子力安全技術基盤課長が、今後の原子力安全規制の方向性を明確化した原子力安全・保安部会の基本政策小委員会が取りまとめた報告書「原子力安全規制に関する課題の整理」について講演した(=写真)。

原子力安全規制については、2001年の保安部会報告書の後を受け、今回の検討では、安全規制制度、安全基盤研究、人材確保などについて審議した、と説明。

また、その後の安全規制を取り巻く環境変化については、(1)使用済み燃料の中間貯蔵事業計画や高経年化の進展など安全規制の対象範囲や内容の変化(2)原子力ルネッサンスなど原子力を取り巻く経済的・国際的な状況の変化(3)ステークホルダーとのコミュニケーションの重要性など、原子力安全をめぐる社会との関係の変化(4)安全規制の技術的基盤の強化と規制業務の増大・複雑化などの変化――を挙げた。

安全規制に係わる今後の課題では、特に既存プラントの有効利用に対する安全規制では、代表プラントを選定し原子炉の運転期間を延長した場合の炉心への影響等の安全性の評価、電力会社が日々の電力需要の変動に合せて行う出力調整運転を計画する場合には当該運転方法の安全性について確認することなどを挙げた。原子力利用のグローバル化への対応では、メーカの製造段階での検査の取り扱いの明確化の検討が必要だとした。

大村課長は、安全規制側と規制を受ける側がよりよい安全規制=効率的で効果的な安全規制=を推進していくためには、両者が「対等の立場」で、「どのような規制が望ましいのか、いろいろな意見交換を行い、それを実現するために、一緒に汗をかいてほしい」と強調し、講演を締めくくった。


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