【わが国の原子力発電所運転速報】 2月利用率70%、柏崎刈羽6、7好調 チリ大地震で津波警報、原子力異常なし

原産協会の調べによると、2月の国内原子力発電所の稼働状況は、総発電電力量229億3240万kWh(対前年同期比6.3%増)、設備利用率69.9%となった。

2月は、既に完全復帰している東京電力の柏崎刈羽6、7号機がいずれもフル稼働しており、特に、6号機は設備利用率103.7%をマークする回復ぶりを見せた。震災後、未だ点検・復旧中にある同1〜5号機を除くと、全体の設備利用率は78.7%に引き上がる。

また、定期検査等により、日本原子力発電敦賀2号機、東北電力女川1号機、関西電力高浜4号機、同大飯1、4号機の計5基が停止し、PWRの停止プラントが増加したことなどから、近年、設備利用率では、PWRがBWRを大きく凌いでいたところが、2月はその差が2.7ポイントにまで詰まる格好となった。

四国電力伊方3号機では、1月7日からの定検期間で、MOX燃料16体を含む計50体の燃料を交換・装荷、3月1日に原子炉を起動、翌2日に臨界に達した。4日に送電を開始し、30日に営業運転再開、九州電力玄海3号機に次いで国内2基目の本格プルサーマル発電炉となる見込みだ。

2月は特段、事故・故障はなかったものの、28日、南米チリ中部沿岸を震源とする大地震の影響により、国内でも太平洋沿岸に津波警報が発令、東京電力福島第一発電所前面海域では約1mの潮位上昇が観測されるなどしたが、いずれの原子力施設も安全運転に影響はなかった。

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訂正 2月4日付号4面の「わが国の原子力発電所の運転実績」表中、全体の時間稼働率Aは「69.6%」の誤りでした。


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