リトアニア 意識調査で7割が原子力支持

リトアニア原子力発電安全検査局(VATESI)はこのほど、同国民の原子力に対する意識調査結果を公表し、73%が原子力発電所の安全な運転は可能であると回答したことを明らかにした。

同国は昨年末、総電力需要の約7割を賄っていた唯一の原子炉であるイグナリナ原子力発電所2号機(136万kW、RBMK)を閉鎖。欧州連合(EU)に加盟する際に課されていた条件を忠実に守った。VATESIではこれに先立つ昨年10月〜11月、世論調査会社のバルチック社に依頼し、15歳〜74歳までの国民1000名を対象に原子力発電や廃棄物に対する認識を調査。2006年10月に欧州委員会(EC)のユーロバロメータ社が実施した調査の結果と比較した。

VATESIがこれから着手するイグナリナ発電所の廃止措置活動や、同発電所の代替電源として同じ敷地内に計画しているビサギナス発電所の建設について、世論の動向を探ったものと見られる。

それによると、「原子力発電所を安全に運転することは可能だ」とするリトアニア国民の割合は、06年調査の69%から4ポイント上昇して73%になった。放射性廃棄物に関しては、回答者の半数以上が「安全に貯蔵・輸送することができる」と回答。項目別の設問では56%が安全管理に、59%が輸送に同意したとしている。

また、新たな貯蔵施設を建設する際に、最も懸案となる事項を尋ねた設問には、37%が「健康や環境に及ぶ潜在的な影響」を、36%が「放射性物質の環境への放出」を挙げた。

情報公開関係では、66%が「安全問題について完全には知らされていない」と回答したが、これは06年調査時の82%から16ポイントの改善。「十分に知らされている」とする国民の割合は25%にのぼっており、前回調査時の18%を上回ったことが明らかになった。

このような回答から同国民は特に、放射性廃棄物の貯蔵方法、貯蔵施設の場所と建設方法、およびイグナリナ原子力発電所が現在および将来にわたって国民の健康に及ぼすと思われる影響など――について「簡潔で判りやすい情報」を求めていることが判明している。


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