東芝 米ベンチャーと革新炉開発 100年間の継続運転も視野

東芝は23日、米国原子力開発のベンチャー企業テラパワー社と協力して、約100年間、燃料交換せずに運転継続できる高速炉TWR炉の開発を行うとの一部の報道に対して、「当社からの発表ではない」としながらも、テラパワー社との技術協力の可能性について検討を開始していることは認めた。同社では、今後の開発や投資については、具体的に決定した事実はない、としている。

東芝は、独自に小型のナトリウム冷却高速炉として、燃料交換を必要とせず30年間運転でき、冷却材のナトリウムを駆動部のない電磁ポンプで移送し、緊急時にも自然通風で炉心崩壊熱の除去を行う4S炉(電気出力1万kW、5万kW)を開発し、米NRCとの予備的折衝を重ね、今年正式に型式認証申請を行うことを目指している。

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テラパワー社は米国の技術革新起業組織のインテレクチュアル・ベンチャー社の子会社で、同社の原子力関係スピン・オフ・プロジェクトという位置付け。このインテレクチュアル社を創設したのが、元マイクロソフト社・技術担当責任者のN.ミアボルド氏で、マイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツ氏の部下だった人物だ。

ゲイツ氏は2月中旬、カリフォルニアで開催されたTED会議(普及価値のある技術等に関する識者の講演会)に登壇し、これまで自身の財団を通じて行ってきたマラリアなどのワクチン開発慈善活動に加え、世界を飢餓や貧困から救うためのエネルギー技術革新に取り組みたいと発言した。

その中で同氏は、地球温暖化防止に役立つ安価でクリーンなエネルギーは、原子力が最も有望だと強調。そのための手段としてTWR(Traveling Wave Reactor 進行波炉)の開発を提唱し、TWRの実行可能性や開発コストなどエンジニアリング調査を進めているテラパワー社の主要オーナーとなっている。


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