資エ庁 「どうする高レベル廃棄物」 大消費地で相次ぎ開催

高レベル放射性廃棄物の処分について、さまざまな立場から意見を交換する「どうする高レベル放射性廃棄物」シンポジウムin東京が16日、経済産業省資源エネルギー庁の主催で行われた(=写真)。同シンポジウムはすでに福岡、大阪でも開催されている。

司会進行の日比野守男・東京新聞論説委員が現在計画されている地層処分の概要を説明し、長ア晋也・東京大学大学院工学系研究科教授が推進側から、藤村陽・神奈川工科大学教授/地層処分問題研究グループが慎重側からの意見を述べた後、長坂俊成・防災科学技術研究所リスク研究グループ長と長野浩司・電力中央研究所社会経済研究所エネルギー技術政策領域リーダーを交えてパネル討論を行った。

議論の中では「いかに透明化をもたせ、安全の担保のさせ方を議論するか。まず結論ありきという姿勢では信頼を失う」(長ア教授)、「ただ先送りするだけではコストもかかり問題だが、その間にしっかり議論して信頼が生まれるのであればお金で計れない成果だと思う」(藤村教授)、「シンポジウムは大きな意味があるが、さらに前進するには地域で自主的な市民参加型プレ概要調査なども行ってみては」(長坂氏)、「まず現時点でベストの選択である地層処分を進めるべき。もし不安が残るならその不安度に応じて可逆性などを残せばよい」(長野氏)などの意見が出され、エネルギーの未来について考える貴重な機会となった。


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