英社、大型プレス導入へ 将来需要見据え、鍛造品製造

英国最大手の大型鋳鍛造製造企業であるシェフィールド・フォージマスターズ・インターナショナル社(SFIL)は17日、原子炉の超大型機器鍛造に必要な1万5000トンの超大型プレスを英国で初めて導入するための資金として政府融資を含めた1億4000万ポンドを確保したと発表した。

これは英国が今後、民生用原子力発電所の機器供給チェーンにおいて世界の最先端の地位を担っていくことを目指した投資であり、8000万ポンドの政府融資は、同社が過去2年にわたって実施してきた資金調達計画の最終部分となる。この政府融資に関しては民間企業・規制改革省(BIS)のP.マンデルソン担当相がSFIL社で声明を公表。成長市場における政府の支援を約束した。残りの資金は同社の主要パートナーであるウェスチングハウス社とロイズ銀行グループが融資することになっている。

SFIL社は、米国機会学会(ASME)の原子力機器鋳鍛造の認証を取得している英国で唯一の企業であり、既に多くの民間原子力企業に構成部品を納品。今回の融資によって大型鍛造品用のプレスを装備できれば、同社も世界で原子炉用の超大型機器を製造可能な5社の中に入ることになると説明している。

同社によると、世界では2030年頃までに年間13基の原子炉建設が計画されており、20年までに世界全体の鍛造品需要量は現在の3倍以上の7万トンに達する見込み。一方、その時点で供給可能な量は世界中でも5万9000トン程度と懸念されている。SFIL社は今回の融資により、3年以内に1万5000トンの鍛造プレスを設置し、安全性が重視される鍛造物の国際的な需要増に応えていく計画だ。


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