エクセロン社がサイト許可申請 COLは取り下げ

米国最大の原子力発電会社であるエクセロン社は3月25日、テキサス州ビクトリア郡で計画している原子力発電所建設計画について、事前サイト許可(ESP)を米原子力規制委員会(NRC)に申請する一方、提出済みだった建設・運転一括認可(COL)申請を正式に取り下げた。

近年の国内経済の不透明感に加え、政府の融資保証利用枠が限定的であることから、同建設計画を一時中断し、建設サイト固有の適性について審査を受け、立地のみの許可を取得しておく方針。ESPは20年間有効であるほか、さらに20年の更新が可能であるため、同社では最終的に「建設実施」の決断を下した時点で改めてCOLを申請することになる。

エクセロン社は2008年9月、GE日立社製のESBWR(高経済性・単純化BWR)の建設を想定したCOLを申請。しかし、原子炉技術としての商業性、設計スケジュールの面で不確定要素が多いとして、08年12月に採用設計をABWRに変更。09年7月にはCOL審査を中断してESPを取得するとの意向を表明していた。

NRCは今後、3〜4年間かけてESP審査を実施。ビクトリア市の南約20キロメートルに位置する約4600ヘクタールのサイトについて、安全性や原子炉による環境への影響等を評価する予定である。

なお、同社はすでに、イリノイ州のクリントン原子力発電所サイトについて07年にESPを取得済みだが、現時点で同サイトでの新設計画がないため、COLは申請していない。


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