AECLと中国 CANDU炉でサイクル試験

中国は3月22日、重水炉による先進的な燃料サイクルを実証するため、軽水炉から回収したウランを初めて、カナダ型重水炉である秦山第三原子力発電所1号機(CANDU、72.8万kW)に装荷した。

これは同機を製造したカナダ原子力公社(AECL)が23日に発表したもので、天然ウラン燃料の利用が可能というCANDU炉の特長、およびCANDU炉技術と軽水炉技術の強力な相乗効果を実証するのが主な目的だとしている。

具体的には、PWRの使用済み燃料から再処理せずに回収したウランと濃縮施設の劣化ウラン・テールを混合して天然ウラン当量(NUE)の燃料集合体を製造。今後6か月間で、合計24体のNUE燃料を秦山発電所の2つの別々の燃料チャンネルに装荷し、約1年間照射する計画だ。

2008年11月、AECLと中国の第三秦山原子力発電公司(TQNPC)、中国核動力研究設計院(NPIC)、中核北方核燃料元件公司(CNNFC)は共同研究プロジェクト等の実施で協力協定を締結。CANDU炉でのNUE燃料の商業化実証は、このプロジェクトの最終段階にあたる。

なお、中国では昨年12月、原子力関係の研究者や政府、産業界の代表で構成される専門家小委員会が、CANDU炉固有の特性を活用するために新たなCANDU炉を2基建設するよう満場一致で勧告している。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで