第4期科学技術基本計画骨子案 二大イノベーション柱に 環境・エネルギー大国へ

総合科学技術会議の基本政策専門調査会(会長=相澤益男・同会議議員)は3月25日、11年度からの第4期科学技術基本計画の骨子案を示した。政府が12月に閣議決定した「新成長戦略(基本方針)」で戦略分野に掲げる「グリーン・イノベーション」と「ライフ・イノベーション」を二大柱としている。

同骨子案ではまず、地球環境問題、水・食料・資源・エネルギーの枯渇といった世界共通の諸課題の深刻化や、中国、インド他、新興国の急激な経済成長による多極化が生じる一方で、日本では、十数年にわたる経済的低迷、高齢化・人口減少、雇用環境の悪化などがもたらす経済・社会的地位の低落が懸念される中、「特に主要な成長センターであるアジアを始め世界とどのように関わっていくべきか」について、具体的取組を進めることが急務などと問題を提起している。その上で、第4期基本計画は、新成長戦略基本方針を踏まえつつ、より幅広い観点から深化・具体化し、「10年先を見通した5年間の計画」として、日本の科学・技術・イノベーション政策の総合的振興を図るための基本的方向性を示すものと位置付けている。

基本計画における政策の主要項目としては、(1)国家戦略の柱としての二大イノベーションの推進(2)国家を支える新たな強みを生むプラットフォームの構築(3)わが国の基礎体力の抜本的強化(4)これからの新たな政策の展開――を柱に掲げ、喫緊の課題である地球温暖化、少子高齢化に対応すべく、二大イノベーションのうち、「グリーン・イノベーション」で環境・エネルギー大国を、「ライフ・イノベーション」で健康大国を目指し、これらイノベーション創出を促す新たな仕組み作りの必要をうたっている。

また、本基本計画案では、国際的・学際的なネットワークの構築が重要との認識のもと、従来からの資源としての人材ではなく、資産・宝としての「人財」との記述を行っている。

次期科学技術基本計画は、11年度末の閣議決定を見据え審議が進められている。


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