安全白書 今後10年の課題を整理 「環境の時代」にスポット

内閣府・原子力安全委員会は3月30日、09年版原子力安全白書を閣議に報告した。JCO臨界事故から10年の節目に際し、また、近年の地球温暖化問題に対する意識高揚をとらえ、「『環境の時代』に期待される原子力安全―この10年これからの10年」と題した特集を組み、原子力の安全確保について、これまでの10年を振り返るとともに、今後10年で予測される変化と課題を整理したほか、通例の原子力安全規制に関するあらまし、09年の主な動向で構成している。

白書公表に際し、中井洽・内閣府大臣(原子力安全担当)は、「原子力の利用については、安全を第一として、国民の皆様のご理解と信頼を得ながら、着実に取り組む」との決意のもと、「国民にわかりやすい説明」と同時に、「原子力安全規制に関する制度や仕組みについても、行政の無駄がないのか不断にチェック」していくとの所感を発表した。

また、白書の前書きで、鈴木篤之委員長は、今回特集の意図として、「低炭素社会の形成に実際に貢献できるようにするためには、原子力安全にさらに何を求められているのか」を示すことを掲げ、社会的変化への対応を念頭に、現場の安全確保が最優先されることを「肝に銘ずるべき」との考えを第一に示した上で、特集編で詳述する耐震安全性の向上、原子力施設の安全・安定運転、サイクル施設・放射性廃棄物の安全確保など、これまでの取組と今後の課題について考えを述べている。


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