燃料の供給体制を強化 WH社、英国の燃料メーカー買収

東芝は3月29日、同社のグループ会社であるウェスチングハウス(WH)社が英国の原子燃料メーカーを買収したことを明らかにした。

原子力発電所向け燃料供給事業強化の一環で、WHは欧州における供給体制を増強する。買収したのは、英国原子力廃止措置機構(NDA)の傘下企業で原子燃料事業などを手がけるスプリング・フィールズ社(SFL)。

これまでWH社は、NDAとオペレーションマネジメント契約を結び、SFLのサイトを運営管理していた。今回SFLの事業をNDAから獲得する事により、今後WHは、SFLの既存事業の収益力強化に加え、AP1000向けの燃料製造など新事業を展開し、英国での事業を拡大していく方針だ。

現在WH社は、欧州においてはスウェーデンに燃料製造拠点を持っているが、今回SFLを加えることで、今後拡大が予想される英国を始めとする欧州での原子力プラント新設需要にも対応出来る体制を整える。また現在東芝が権益を保有するカザフスタンのウランの活用など、東芝グループとして更なるシナジーの創出を図っていく考えだ。

なお、東芝とHW社は1日付けで、ウラン製品の取扱いに関する合弁企業(出資比率6対4)、「アドバンス・ウラニウム・アセット・マネジメント(AUAM)社」を英国のプレストンに設立している。

従業員数30名ほどで燃料成型加工前のウラン製品の販売、リース、輸送、備蓄、およびウラン転換・濃縮役務の仲介業務などを行う。


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