イラン、新型遠心機を公開 濃縮容量拡大を宣言

イランのM.アフマディネジャド大統領は、同国の「国民原子力技術記念日」である9日に首都テヘランで講演し、同国がウラン濃縮用に開発したという第3世代・遠心分離機の最初のモデルを公開した。

イラン原子力庁(AEOI)のA.サレヒ長官によれば、AEOIが設計した同遠心機は第1世代の遠心機の約6倍の分離性能を持ち、すでに機械的な検査をパスしたという。同国には現在、ナタンズに商業規模のウラン濃縮工場(FEP)とパイロット濃縮工場(PFEP)が存在するほか、昨年9月にはコム市近郊で新たなパイロット濃縮工場(FFEP)を建設中であることを国際原子力機関に通達。米国をはじめとする国際社会の反対を押し切った拡大政策推進に、今後の対立激化は避けられない状況だ。

講演の中で同大統領は「原子力が安価なエネルギーであることは、今や周知の事実」とし、今後も積極的に技術開発を継続すると宣言した。特に、ブシェールで建設中の原子炉が運転を開始すれば、「国の省エネルギーに大きく貢献する」と指摘。同機の燃料用総コストは6000万米ドルと安価であり、環境にも優しいと説明した。

大統領はまた、イランの科学者達がすべての原子力分野で傾注している努力により、同国が将来、核技術の輸出国に転ずる可能性についても言及。イランの技術開発は、いかなる圧力にも妨げられないレベルに進んでおり、新型遠心機によって6基の発電炉への燃料供給が可能になると述べた。いずれは、ウラン探査からイエロー・ケーキ技術、濃縮、新型遠心機の製造まで、原子力事業のすべての分野で操業が可能な国になると明言しており、発電炉については、後続炉の開発段階に達しつつあるとしている。

このほか、サレヒ長官が同国中央部のヤズド地方でかなりな量のウラン資源を発見したと報告。同様の探査作業を他の区域でも進めていることを明らかにした。


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