【第43回原産年次大会】 特別講演 ベルナール・ビゴ・フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)長官「長期エネルギー安全保障および環境保護に関するフランスの政策と戦略」(ピエール=イヴ・コルディエ駐日仏大使館・参事官が代読)

フランスでは、将来原子力と再生可能エネルギーを等しく重視し、バランスよいエネルギー・ミックスをめざしている。経済的競争力のある技術が今世紀前半中に確立されればフランス全てのエネルギー供給を低炭素技術だけでまかなえると考えている。

フランスではエネルギー依存を緩和するため野心的な原子力政策を行っている。第3世代炉としてフラマンビルで建設中、およびパンリーで計画中の欧州型加圧水型原子炉(EPR)はそれぞれ2012年、17年に運転開始の予定だ。

またフランスは、ウランやプルトニウムを使用済み燃料の中から利用するクローズド燃料サイクルを実現させていく。

さらに研究開発レベルでもサイクルの継続的改善を行っており、プルトニウム燃焼やマイナーアクチニドの取り扱いも視野に入れている。

06年6月にはフランス議会で核物質および廃棄物の持続可能な管理に関する法律が制定され、2025年までに地層処分場を操業するためのロードマップが示された。

高速中性子システムについても研究を進めており、2040〜50年の実用化をめざすナトリウム冷却炉に加え、ガス高速炉も長期的オプションに加えている。

カダラッシュには国際連携による高性能材料試験炉(MTR)を建設中で、2014年に運転開始予定である。

パートナーシップにおいては、日本こそがフランスと一番近い関係にある。プログラムや戦略面で長期的開発やクローズドの方向で共通点が多く、産業間でも研究分野でも強固な協力関係を築いている。

他国とは、新規導入国への支援調整機関であるAFNIなどを軸に、これまでの経験を共有していきたい。核不拡散のコミットメントでは、すべての人が最大限に努力し、フランスがその中心を担っていきたいと考える。


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