UAE 2017年の運開目標 ブラカを候補地に選定

アラブ首長国連邦(UAE)の首長国原子力会社(ENEC)は4月22日、同連邦初の原子力発電所建設候補地として、アブダビ首長国の西部、ルワイスの西南西約53キロメートルに位置するペルシャ湾岸のブラカを選定した。これに伴い、2種類の認可申請書と環境評価を管轄する規制機関に提出しており、サイトとして承認されれば、2017年の初号機運開を目指して作業を進める。

08年半ばに開始したサイト評価で、ENECは国際社会の安全基準に照らして作業を実施。連邦原子力規制庁(FANR)のほか、電力研究所および米原子力規制委員会(NRC)、国際原子力機関(IAEA)のガイダンスに基づいて、地震履歴や人口密集区域からの距離、大量の取水の可能性、既設の送電網との接続、インフラ状況などを鑑みた結果、ブラカの約13平方キロメートルの敷地を選定した。

FANRに提出した申請は、1号機から4号機までの(1)サイト準備作業認可と(2)安全系機器の製造・組立に関する限定認可。(1)により、ENECは安全系とは無関係のサイト準備活動を開始することができる。1号機の運開日程に合わせて、7月5日までの認可発給をFANRに要請している。

また、(2)では圧力容器や蒸気発生器(SG)、加圧器、冷却ポンプなどについて、主契約者である韓国電力の下で斗山重工業が製造可能になるとしている。ENECでは今年の末にも、これらの製造を開始したい考えだ。

このほかENECは、戦略的環境評価(SEA)をアブダビの環境庁(EAD)に提出。SEAは建設計画が環境に及ぼす影響について、モニタリング・プログラムや影響軽減対策などを実施するマスター・プラン的な位置づけとなっている。

なお、今回のサイト決定にともない、ENECでは数週間以内に地元住民との公聴会を開催。サイト選定作業と建設計画、および同計画による地元への経済効果と雇用機会創出に関する協議の場とする予定である。


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