三菱重工 英ウェア社と協業合意 欧州ポンプ事業強化へ

三菱重工業は5月27日、原子力発電所のメンテナンス大手である英国のウェア社(本社・グラスゴー)と、原子力ポンプの供給・メンテナンス体制の構築に関して協業することに合意し、契約を締結した、と発表した。

三菱重工が設計・製造を担当し、ウェア社が販売サポート、プロジェクト管理、据え付け、アフターサービスなどを手がけることで、今後増加が予想される新設需要にも対応しようというもの。

対象市場は当面、英国を対象とするが、欧州域のサプライチェーン強化の布石としても位置づけ、グローバル供給体制づくりの一環とする。

ウェア社は、原子力をはじめとするエネルギー・産業向けポンプ・バルブのメンテナンス会社。英国とカナダに計12の支店を構え、英国の複数の電力大手と長期契約を結ぶなどして、各種アフターサービス事業を推進している。設立は1871年で、139年の歴史をもつ。

今回の協業は、新たな提携先を求めていた同社と、欧州進出を加速する三菱重工の狙いが一致したもので、26日に同社高砂製作所(兵庫県高砂市)で両者幹部が契約に調印した。三菱重工では、今回の協業により、英国における同社原子力ポンプの一層の競争優位性を獲得・維持していくとともに、今後ますます需要の増大が期待される欧州の原子力発電プラント市場において、さらに積極的な事業展開を行っていく方針だ。


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